講座内容
統合報告書を発行する意義
「統合報告書」の発行企業は増加しており、2024 年の発行企業数は1,150 社に達しプライム上場企業の7 割に及びます。統合報告書は、投資家だけのための資料ではありません。社員、求職者、取引先など企業を取り巻く人たちに向けて、自社の考え方や将来像をまとめて伝え、理解や信頼を広げていくためのコミュニケーションツールです。
【株主・投資家】
財務情報だけでは見えない「成長の理由」を伝え、市場からの評価向上と株価上昇につなげる。
【顧客】
環境・社会・ガバナンス開示で、取引先からの信頼を高め、新たなビジネス機会につながる。
【従業員】
「会社が目指す方向性」を言語化することで、自社の価値を再認識し、一体感と帰属意識が醸成される。
【求職者】
社会的意義を重視するZ世代に向けて、社会課題への取り組みを発信し、採用競争力を高める。
1.統合報告書制作の第一歩
■そもそも統合報告書とは何か?
→自社を「伝える」「開示する」ことの両面を持つ、統合報告書の価値
■なぜ今、統合報告書が求められているのか?
→「統合報告書がない= IR に消極的な企業」と見なされてしまうリスク
■採用・企業ブランドにも寄与する、レポート発行のメリット
→社員の帰属意識の向上や、求職者に対する企業価値のアピールにも寄与
■統合報告書初発行の企業が意識すべきこととは?
→まずはビジネスモデルをわかりやすく説明し、他社との違いを際立たせる
2.統合報告書に載せるべき項目
■投資家が必ず見る項目は?
→価値創造プロセス、ビジネスモデル、トップメッセージでの生の声は必須項目
■基本の「構成パターン」を知れば、ゼロから悩まない
→前半で自社オリジナルの成長ストーリー、後半の報告部分でデータを示す2部構成
■自社らしさを出すには?歴史から伝える「強み」の見せ方
→創業の精神、事業の変遷、独自技術を時系列で見せる
■それぞれの章の役割を知れば、ページ構成が整理できる
→何を目指すか(理念・経営計画)/どう実現するか(事業戦略)/経営基盤は何か(ESG)
3.スタート前にやっておくべきこと
■スケジュールの立て方
→企画から発行まで6〜8ヶ月、情報収集と原稿作成に各2ヶ月を想定して逆算
■他部署からの情報収集を楽にする方法
→質問項目+他社事例のフォーマットで依頼すれば、各部署の協力を得やすい
■関係部署との連携の仕方
→IR・広報・経営企画を核に、初期段階で関係部署を巻き込むプロジェクト化
■「編集方針」でブレない軸を作る
→ターゲット(投資家・株主)と伝えたいメッセージ(成長戦略)を明文化する
■1年目から完璧は目指さず、毎年改善していく前提で進める
→初年度は基本項目を確実に押さえ、PDCAサイクルで毎年充実度を向上させる